EF50mm F1.4 USMというレンズがあります。
私が使ってきたレンズの中でも、5本の指に入るくらいに好きなレンズ。
絞りを開ければフワッと味のある優しい写りになり、対して絞るとレンズが変わったかのようにキリッとクリアーな写り。
その2面性が撮ってて楽しくなります。
これまではEOS 5D Mark Ⅲで使っていましたが、LUMIX S5に乗り換えるにあたり、そのまま持ち越し。LUMIXの多彩な色表現とのマッチングが気に入っています。
今回は映画的な色を表現するフォトスタイル「シネライクV2」との組み合わせで撮りました。
今回使用のカメラとレンズ
LUMIX S5へ、Canonの王道標準レンズ、EF50mm F1.4 USMを装着。
マウントが違い、そのままでは装着できないのでSIGMAのマウントコンバーター、MC-21を介します。
今回使ったレンズ
フィルター径は58mm
マウントコンバーターを付けるとその分長くなりますが、EF50mm F1.4 USM自体がF1.4のレンズであるにも関わらずコンパクトな造り。またレンズ自体も軽く、ミラーレス一眼カメラの面目躍如です。
LUMIX S5との組み合わせではちょうど使いやすい寸法になります。これも私のお気に入りポイント。最近機動性重視なので、あまりにも大きかったり、重かったりするとと気後れしてしまうのです。
ちなみに一応AFは動きますが、メーカーが違うので全く当てになりません。
つまりEF50mm F1.4 USMとLUMIX S5の組み合わせは、全てMFで撮影します。
カメラの設定
項目 | 内容 |
---|---|
フォトスタイル | シネライクV2 |
ホワイトバランス | 晴れ(ブルー2・グリーン2) |
コントラスト | 0 |
ハイライト | 1 |
シャドウ | 2.5 |
彩度 | 1 |
シャープネス | −1 |
基本はWBは晴れで、ブルーとグリーンを足して少し爽やかさを出してみました。
開放の描写
赤信号と奥の雲が入るように撮りました。少しでもピントがずれると、ピント面が若干滲んだ感じに。
道端の花を開放で。
F1.4ともなるとボケも大きく、小さな花でも立体感を演出できます。
ただしざわつく背景の場合、ボケ自体の質はちょっと個性的です。
薄暗い高架下。
中央部は開放でも十分シャープです。ミラーレス一眼によってピント合わせがかなり正確になりました。
青空を撮ると分かるのですが、周辺光量落ちはあります。そして私は周辺光量落ちスキーです。
光が入るとフワッと全体にハレーションがかかります。シネライクV2の色味と合わさって、懐かしい感じが表現できたと思います。
開放の描写はご覧の通り優しく、場合によっては滲むこともあります。ですが、LUMIX S5はピント拡大機能があるので、あまりにもラフに撮らなければたいたいてい開放でもジャスピン。
一眼レフでは活かしきれず、少し絞って使っていた本レンズ。LUMIX S5になってからは積極的に開放で撮っています。
少し絞って
青々とした田んぼにかかる影が印象的でした。
2段絞るとピント合わせもだいぶ楽になります。風になびく旗の質感が素晴らしいです。
周辺光量落ちもだいぶ解消。一眼レフの時はここら辺からの絞りをよく使っていました。
F4からはかなりハッキリくっきり、そしてクリアーに写ります。ここらへんの絞り値も大好きです。
青い建物に青い自転車の組み合わせが素敵でした。多少歪曲が見受けられます。
ハレーションを入れて去りゆく電車を撮りました。
ピントが手前の電柱になってしまいました。
3段以上しっかり絞って
F5.6からはとてもシャープに写り、こういたメタルな建造物に当たる光を綺麗に捉えることができます。
開放とは正反対の印象。EF50mm F1.4 USMの好きなところです。
朽ち果てつつある自転車。
絞ると遠景でもしっかり写してくます。
印象的なシルエットを捉えました。
アスペクト比を変えて
縦横比65:24に変えて阪急電車を撮影。横長な電車だけをフレームに収めることができました。
先ほどの縦写真の超横長バージョンですね。
少し日が傾いてきて強い逆光という状況、真ん中の通行人をどうフレームに収めるか考えて65:24の比率を使ってみました。
これらの写真は動画に力を入れているLUMIXならでは。6種類の縦横比から選択できます。
もちろんPhotoshopを使えば後処理でも加工できますが、LUMIX S5の場合、その場で設定・状況を考えながら撮影できます。
EF50mmF1.4 USMとLUMIX S5は相性抜群である説
- ジャストサイズ
- 絞りで描写が変化
- ピント面を合わせやすい
こういった利点から、EF50mm F1.4 USMはLUMIX S5と相性抜群だと私は確信しています。
もちろんこれでAFがしっかり動いてくれれば言うことなしなのですが、それは流石にメーカーが三者三様なので仕方ありません。
LUMIX で50mm F1.4のスペックのレンズと言えば…とんでもないお化けレンズが出ています。
24-70mm F2.8、いわゆる大三元レンズとほぼ同じ大きさ重さ…。そして値段は10倍近く。
最近、50mm F1.8が出ましたが、これの描写がEF50mm F1.4に近かったら嬉しいなぁと思ったり。
と言いつつも、EF50mm F1.4 USMにしかない写りが気に入っているので悩ましいところですね。
とりあえずLUMIX S 50mm F1.4 PROは絶対に買いません(買えません)。これだけはハッキリしておきたいとおもいます。(誰向け)
それではまた。