今回は富士フイルムのフィルムシミュレーション「クラシッククローム」で撮る・現像するとイルミネーション写真がゴージャスな感じになったので、その理由を分析してみました。
例えばこの写真。
ゴージャスな感じ、しませんか?
他のフィルムシミュレーションも適用してみましたが、1番ゴージャス感が出たのがクラシッククロームでした。
※ゴージャス感は私の個人的な感想であり、人によってはそう感じない場合もあります。
では目次です。
クラシッククロームとは?またその特徴は?
そもそも富士フイルムのクラシッククロームとはどういうフィルムシミュレーションなのか、公式サイトにて勉強。
今回開発した「クラシッククローム」は、リアルな表現が持ち味のドキュメンタリーフォトやストリートフォトに適した、深みのある色合いと豊かな陰影を表現できる撮影モードです。「クラシッククローム」は、柔らかい階調、シャドー部における豊かな陰影、青や緑、赤色などの被写体や背景において色飽和(*1)しにくい色調を実現。
富士フイルム株式会社:「Xシリーズ」の卓越した写真画質と多彩な絵作りを実現する「フィルムシミュレーション」の新モード「クラシッククローム」モードが新登場より引用
公式サイトに書いてある通り、クラシッククロームはドキュメンタリーチックな感じで撮ることのできるフィルムシミュレーションです。
が、フィルムシミュレーションと言っても元となったフィルムは無く、長年フィルムを作り続けてきた富士フイルムが、もっと違った方向性を目指して作ったオリジナルのシミュレーションとのこと。
では実際に
フィルムシミュレーションのスタンダードであるプロビアと比べてみて、
- どういう違いがあるのか
- なぜイルミネーションがゴージャスな感じになるのか
を考えてみます。
クラシッククロームとプロビアを比較して特徴を掴む
ここではプロビアとクラシッククロームを適用した、同じイルミネーション写真を比較します。
まずはハイライトに注目。
プロビアは輝いていますが、クラシッククロームは少し落ち着いているように見えます。
そして全体的にイエロー系がオレンジへ色が傾いていますね。
この2枚の写真を比べて一目でわかるのは、マゼンダが抜けているということ。
実はシアンに傾いているはずなのですが、ここでは分かりにくい。
また、背景の壁部分がより暗くなっています(シャドウが締まっている)。
この2枚でマゼンダがシアンに傾いているのが一目瞭然ですね。
また、彩度が抑えられています。
ハイライトも柔らかくなっていますね。
ということで、3組の写真を比べてみました。
結論としてはクラシッククロームには次の特徴があるとわかりました。
- ハイライトが柔らかい
- シャドウが締まる
- 彩度が低い
- イエローがオレンジに
- マゼンダがシアンに
つまり、ギラギラせず落ち着いた雰囲気になるのではないでしょうか。
それを彩度も明度も高くキラキラしたイルミネーション写真に適用することで、いい感じに落ち着く。
さらにイエロー系のキラキラがオレンジ系になる・マゼンダがシアンになることにより、少しくすんだ色合いになる。
これらが合わさってイルミネーション写真がゴージャスな感じになると考えました。
クラシッククロームでのイルミネーション作例
以上分析をしたところで、その他の作例もお見せします。
使用カメラはFUJIFILM X-T3、レンズはXF56mm F1.2 Rです。
毎年恒例のなんばパークスイルミネーションを撮ってきました。ここは同じ構図になりがちなのでなんとか工夫したいところ。
クラシッククロームはモノクロのように使えると富士フイルムも言っており、黄色と黒のみになるように意識しました。
ここはXF56mmF1.2 Rの玉ボケを試すのにちょうど良かったです。
なんばパークスの屋上庭園もライトアップ。
これはクラシッククローム本来のドキュメンタリーチックな感じになりました。
これも本来の使い方。クラシッククロームはこんな感じでちょっとレトロな形のものを撮ると良いですね。
これらのショットは黄色と青の光源がかなり強い感じで写ったので、クラシッククロームの効果は限定的な感じです。
冒頭の1枚と合わせて私がクラシッククロームでイルミネーションを撮るとゴージャスな感じになると確信した写真です。
いかがでしょう、ゴージャス感出てると感じていただけましたでしょうか?
あとがき
クラシッククロームでイルミネーションを撮るとゴージャスになる理由をまとめると、結局は次の3つの要素に行き着きます。
ということで、今回はクラシッククローム X イルミネーションという組み合わせを分析してみました。
ぜひ皆さんも試してみてください。
それではまた。