MAMIYA RB67という中判フィルムカメラ に興味がある人は皆こう思います。
(RB67ってどんな写りをするんだろう・・・?)
当然です。
私もMAMIYARB67を手に入れる前はそんな思いでネットの海を漁っていました。
ですがなかなか無いんですよね、作例。
6×7判フィルムカメラでは「(PENTAX67)より重い」カメラですので外に持ち出して撮るような奇特な方があまりいないのでしょうか…。
そこでRB67作例難民(?)の方々のために、大阪のミナミをRB67 Professional S(Pro S)と富士フィルムPRO400Hで撮ってきました。
RB67で撮影した今回の写真について
全て私が撮影した写真で、特に断りがない限り全て下記機材を使用しています。
カメラ: MAMIYA RB67 Professional S
レンズ: MAMIYA Secor C 90mm F3.8
フィルム: 富士フィルム PRO400H 120
ヘッダー写真含めて全て手持ち撮影です。
また、自前のフラッドヘッドスキャナー EPSON GTX-970にてスキャン。
仕上げはPhotoshop Lightroom CCにて行なっています。(明るさ・コントラスト調整など)
RB67の作例と撮ってみた感想
新世界といえば通天閣、串カツやビリケンさんを思い起こす人も多いのではないでしょうか。
そんな大阪でも指折りの観光地を私のRB67ライフのスタート地点としました。
が、新世界の象徴である通天閣をはじめに撮らず、ふと目の前を通ったただの空き地を撮影。
学生時代からよく訪れていた私にとっては、通天閣が見慣れた景色であり面白味に欠けていたからかもしれません。
もしくはRB67がはじめてだったのでチキっていたのか…。
ちなみに通天閣のてっぺんまでは大阪に生まれてこのかた登ったことがありません。
中層の無料ゾーンまでです。だってお金もったいないんだもの。
さて、そんな記念すべきRB67の1枚目は絞り開放にて撮ったのですが、中判ならではの大きなボケがよく分かります。
3、4メートルほど離れた所へピントを合わせていてもこれだけボケています。
前ボケが少し巻いている気がしますね。
裏なんばってご存じでしょうか。
南海なんば駅から吉本興業で有名な、なんばグランド花月までの飲み屋が密集するエリア。
夜は酔っ払ったサラリーマンでごった返します。
そのにぎわいもさすがに早朝は静まりかえっています。
たまにすれ違う人はインバウンド効果で日本へ観光に訪れたアジア人のみ。
そんな中で寄り添う兄弟のようなゴミ箱を見つけておじぎをしつつ撮影。(ウエストファインダーのため)
開放付近で右上方の「難波千日前」の看板にピントを合わせて撮影しました。
これもほとんど開放だったかな?
実はゴミ箱まではピントが合うだろうと思っていたんですが…見事ににピントを外してますね。
いやはや中判なめてました。しっかりピントの範囲を確かめないといけません。
それだけ開放でピントが薄いということは、手持ちの時にカラダを前後に少しでも動かせば簡単にピントがズレるということ。
まだまだ修行が足りません。
オタロードは、いつからかそう呼ばれるようになった大阪日本橋(”にっぽんばし” – 東京のは”にほんばし”)の一部のエリアのことです。
まんだらけやメロンブックス、アニメイトやメイド喫茶まで、マニアご用達のお店がそのエリアに集中していることからそう呼ばれるようになりました。
そんなマニアがよくたむろするエリアの真ん中、普段は痛車(いたしゃ)がよく止まっているパーキングのバイクスペースを歩いていました。
そこで赤いボディで目立つスズキが視界に入ったので一枚。
結婚する前はスズキGSX-R1000に乗っていたのでSマークが付いているバイクが気になるんです…。
さて、写真のこと。
バイクの一部分をそのまま切り取ったかのようにバシッとフィルムに焼き付けることができました。
対して背景は綺麗にボケる。
これぞ中判フォーマットに私が期待していた写真そのもの。
フィルムをスキャンして、現像画面を見て、一人でテンションが上がりました。
ふたたび裏なんばでの一枚。
なんだかこの日はゴミ箱を無性に撮りたくなっていたようです。
今回はゴミ箱にピントがバッチリ合いました。
夜の喧噪から一夜明け、ひっそりと静まった飲み屋街。
そこに佇むひと仕事終えたゴミ箱。
なんだか哀愁漂います。
そうだ、私はそんなゴミ箱のポートレートを撮りたかったんだよ!
35mmフルサイズカメラでポートレートレンズの焦点距離と言えば85〜135mm。
使用レンズははじめにお伝えしたとおりSecor C 90mm F3.8です。
そしてフォーマットがフルサイズだろうが中判だろうがボケのでき方は一緒。
したがって、このレンズで写すとポートレートレンズのように被写体と背景が分離するような大きなボケが生まれます。
でもこのレンズで実際に撮れる範囲=画角はフルサイズ換算で約45mmのレンズと同等なんですよね。
いわゆる標準画角と呼ばれるもの。
つまり、このレンズは標準画角なのに撮れる写真は中望遠レンズのボケ感が乗った写真を撮ることができるんです。
ここが中判のキモであり、そして一番混乱するところだと思います。
ともかく、中判が大きくボケるということです。
しかし中判のキモは大きなボケだけではありません。
35mm判の45mmでここまでボカそうと思えば、F値が小さいものを選ぶ必要がありますよね。
そのようなレンズは、最新レンズはともかくとして、開放ではボケ感優先で解像度は低めでほわっと柔らかい写りをしていました。
そして絞ったらそれに合わせてボケが少なくなり、反対に解像度が上がっていく…というものが多かったと思います。
それに比べて中判は絞っても(35mmフルサイズ比で)まだまだボケます。
だから中判は絞って高画質を狙いつつも、同時にボケを調整して被写体を浮かび上がらせることが出来やすい。
ではガッチリと絞ったらどうなるのか。次の写真です。
なんばHATCH周辺は水都大阪の名残があるような気がして私のお気に入りの場所です。
なんば駅からは少し歩きますが、緑におおわれた水上橋や道頓堀沿いの整備された歩道、行き交う水上バス…。
そして何より観光客が少なくて落ちついた雰囲気。
なんばHATCHの建物はキノコのような形をしており、ガラス張りのピラミッドも隣にあるのでなかなか撮りごたえのあるスポットですね。
この写真を撮った時は太陽がかなりのぼってきてたので、かなり絞った記憶があります。(F11〜13くらい…だったでしょうか)
中判の遠景はもっと絞る場合もあるらしいのですが、それでもここまで絞ればご覧の通り、手前のなんばハッチも奥のビルもバッチリピントの範囲に入り、綺麗に写っています。
左下の奥の方にある(おそらく)ソフマップの看板も分かるくらいです。
それでも手前の欄干はほんのりボケます。
この塩梅が中判の良いところだと思うんですが、いかがでしょう?
RB67作例まとめ
RB67はデカイ!重い!ってよく言われてます。
ですが、実は重いっていうのはまだそれほど実感していません。
デカイ!の方は正直なところその通りですが。
しかしここへRB67欲しいけど重いのはなー、デカイのはなー、どうしようと見にこられた方にはこう言いたい。
「そんなの関係ねぇ!どうせRB67 が選択肢に入ってる時点で織り込み済みでしょ?そんなちっぽけなデメリットじゃなくて一度カメラ屋さんでファインダーのぞいて、手に入れて、フィルム詰めて撮ってこい!てかいっしょに撮りにいこ?」
…はあはあ。
一番のデメリットは、カメラに詳しくないパートナーがいらっしゃる場合、ドン引きされることです。
が、それもある種のスパイスですよ、うん。(経験談)
さて、今回の記事でRB67がどんな写りなのかが少しでも伝わりましたでしょうか。
さらっと機材紹介にレンズとフィルムを書きました。
ですが今回はRB67に焦点を当てたかったので本記事では詳しくふれていません。
フィルムについてはまた別の記事でお話しします。
ちなみにRB67を手に入れた経緯は【中判フィルムカメラ】Mamiya RB67 Professional Sを購入した話をごらんください。
RB67記事まとめ:
それではまた。