こんにちは、あるびと(@arbit_13)です。
富士フイルムX-T3に移行してから間も無く1年。
X-T3は、軍艦部にそれぞれ
- シャッター速度ダイヤル
- ISOダイヤル
- 露出補正ダイヤル
が独立して設置され、またレンズ自体に絞り値ダイヤルが付いています。
つまり、X-T3はフルマニュアルで撮影することに重きを置いたカメラと言えます。
当然私もその設計思想を尊重し、フルマニュアルで撮影しています。
が、ふと
X-T3でプログラムモードで撮影って…あれ、どうやるんだっけ?
と初歩的な疑問が頭をよぎりました。
こんなこと他メーカーのカメラでは無い、富士フイルム製カメラ特有の疑問ですよね(笑)。
上記の通り、私は普段フルマニュアルで撮影していますが、設定に手間取り撮りたいシーンを逃したことも多々あります。
特に子供のふとした一瞬の表情とか。
そんな時に、適切な撮影モードを選択しておけば撮ることができたかもしれません。
そんなわけで今回はP、A、S、Mそれぞれの撮影モード設定の方法を調べてまとめました。
撮影モードとか初歩的すぎて人には聞けないよぉ・・・という方になれば幸いです。
では目次です。
プログラム(P)撮影モードへの変更方法
プログラム撮影はカメラがシャッタースピードと絞り値を自動的に設定してくれるモードです。
自分で設定 | カメラが設定 |
なし | シャッタースピード・絞り値 |
設定方法
1.シャッタースピードダイヤルをA(オート)にセット
2.絞りダイヤルをA(オート)にセット
以上の設定を行うとカメラのモニターにPの表示が出ます。
プログラムシフト
プログラム撮影モードでは同じ露出値のまま、絞りとシャッタースピードの組み合わせを変えることができます。
これをプログラムシフトといいます。
プログラムシフトはカメラのコマンドダイヤルを回すと変更できます。
プログラムシフトは
- ダイナミックレンジがAUTOの時
- TTL 自動調光付き外部フラッシュを使用している時
- 動画モードの時
以上の場合では使用できません。
とにかく同じ明るさで撮影したい時にはプログラム撮影モードが良いでしょう。
その上で、そのままシャッタースピード・絞り値を変更したい時にはプログラムシフトで変更、といった具合です。
絞り優先(A)撮影モードへの変更方法
絞り優先撮影モードは絞り値を自分で決定、それに合わせてカメラが自動的にシャッタースピードを設定してくれるモードです。
自分で設定 | カメラが設定 |
絞り値 | シャッタースピード |
設定方法
1.シャッタースピードダイヤルをA(オート)にセット
2.絞りリングを回し、自分で設定
以上の設定を行うとカメラのモニターに A の表示が出ます。
絞りリングはレンズによって操作の方法が若干違います。
例えばXF18-55 mm F2.8-4 R LM OIS の場合、レンズの横についているレバーをAから絞り設定マークにスライドしてからでないと、ダイヤルを回しても無効になります。
対して、XF16-55 mm F2.8 R LM WR 場合、 ダイヤルを回すだけで絞り値またはAを選ぶことができます。
絞り優先設定は、絞り値の変化によってボケの大きさ・視写界深度を調整したいという時に使います。
シャッタースピード優先(S)撮影モードへの変更方法
シャッタースピード優先撮影モードはシャッタースピードを自分で決定、それに合わせて自動的に絞り値が決まるモードです。
自分で設定 | カメラが設定 |
シャッタースピード | 絞り値 |
設定方法
1.絞りダイヤルをA(オート)にセット
2.シャッタースピードダイヤルを回し、自分で設定
以上の設定を行うとカメラのモニターに S の表示が出ます。
シャッタースピード優先撮影モードでは、コマンドダイヤルで上下それぞれ2/3段まで、シャッタースピードを1/3段刻みで調整することができます。
例:シャッタースピードダイヤルを1/250に設定した時
- 上は1/200・1/160
- 下は1/320・1/400
に微調整が可能。
シャッタースピード優先撮影モードは、シャッター速度の変化によって様々な写真を表現をしたい時に使います。
例えば、動作の一瞬を切り取りたい時や流し撮りをしたい時など。
また、シャッタースピードダイヤルでは、タイム撮影とバルブ撮影も設定できます。
タイム撮影(T)
シャッタースピードダイヤルをTにセットするとコマンドダイヤルで露出時間をコントロールすることが可能になるモードで、
- 長時間露光 または 制限なくシャッタースピードを変えたい
場合に使います。
X-T3の場合、
- 最速で1/32000、最長で15分
にシャッタースピードを設定できます。
シャッター速度を1秒以上に設定した場合は、モニターに残りの露光時間が表示されます。
バルブ撮影(B)
シャッタースピードダイヤルを B に設定すると可能なモードで、
シャッターボタンを押している間、シャッターが開きます。
バルブ撮影ではタイム撮影とは違い、最長で60分シャッターを開けることが可能。
バルブ撮影の場合、普通は別でリモートレリーズを用意する必要があります。
カメラの横にリモートレリーズ端子があるので、その端子に合うリモートレリーズをつなげます。
また、カメラのシャッターに昔ながらのレリーズ用端子があるので、そこにフィルムカメラ用のレリーズをつなげることもできます。
上記のリモートレリーズとは違い、シャッターを開け続けるにはずっとレリーズを押しっぱなしにする必要がありますが。
私は手ぶれ防止という目的で、フィルムカメラ用のレリーズをつなげることがあります。
フィルムカメラ用のレリーズだと数百円で手に入りますしね。
タイム撮影やバルブ撮影で長時間露光をした場合、画像にノイズが入ることがあります。
もし気になるようであれば下記の設定でノイズを減らす設定を試してみましょう。
- IQ> 画質設定>長秒時ノイズ低減をONにする
ただし、この設定をすると撮影のたびにノイズ低減処理を行うため、画像の保存に時間がかかり待ち時間が発生します。
もしRAW撮影をしていて、後で画像を処理するという方はこの設定をOFFにしておいて後で画像処理をされた方がいいでしょう。
マニュアル(M)撮影モードへの変更方法
マニュアル撮影モードでは絞り値もシャッタースピードも自分で決定するモードです。
富士フイルムの X-T 一桁シリーズでは全てのダイヤルが独立しており、このカメラの醍醐味ともいえるモードでしょう。
自分で設定 | カメラが設定 |
シャッタースピード・絞り値 | なし |
設定方法
・絞り値・シャッタースピード共に自分で設定。(A以外)
このモードの時はモニターの表示画面に M の表示 が出ます。
ただしシャッタースピードを1/3刻みで設定したい時はコマンドダイヤルで設定します。
実はこのモードは設定次第でフロント・リアのコマンドダイヤルでも操作できます。
ですが、コマンドダイヤル設定の話は長くなりそうので、また別の機会にまとめたいと思います。
撮影モードの変更を覚えてとっさの時に最適なモードを選ぼう
以上、X-T3の撮影モードの変更方法についてまとめました。
実は自分の求める設定は、どの撮影モードにしようが結果的には同じになるはずです。
ですが自分の思い描く撮影設定への最短ルートはシチュエーションごとに違います。
それぞれの撮影モードの特性を頭に入れておくことにより、 どのモードにすれば素早く自分の思い描く写真を撮ることができるか、即座に判断できるでしょう。
普段ゆっくりと撮影に集中できるのであればフルマニュアルでも大丈夫ですが、子供と一緒に出かける時、特にイベントがある時はワタワタすることがあります。
そんな時に、
- さっとそれぞれのダイヤルをAに回し
- Pモードにして露出補正だけかける
そうすると手順が2つだけで済みますよね。
ということで X-T3導入後約1年経ってからのまさかの初歩的な疑問をまとめました。
自分のカメラですが、正直なところまだまだ知らないことがあるなと実感しますね。
(ハイエンド機で設定項目が多岐にわたっているから、という言い訳をしておきます。)
また折を見て、(主に自分のために)こういったことをまとめていきたいと思います。
それではまた。