Mamiya RB67 Pro S:中判フィルムカメラで一段上の写真を目指したい

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唐突ですが、中判フィルムカメラのMAMIYA RB67 Professional S (通称RB67 ProS)を手に入れてしまいました。

このツイートを目にされた皆様方におかれましては

「あ〜、あのカメラマニアのお父さん、とうとう行くとこまで行っちゃったよ…

奥さん可哀想に…」

「中判の世界へようこそ!次はデジタルバックだよ!(ニッコリ)」

「フフフ…シノゴ、バイテンを体験しておらぬ彼奴(きゃつ)は

我々ラージフォーマットフォトグラファーの中でも最弱…」

などさまざまな感想を持たれたことと思います。

ちなみに実物を目の当たりにした妻にはドン引きされました。

「こんな大きなカメラ、恥ずかしいから人前で私たちを撮らないで」

とまで言われましたorz

さて、前置きはこれくらいにしておいて、簡単にRB67 ProSのご紹介、そして先日撮りに行って早速現像してきた写真を交えて色々お話ししていきたいと思います。

YouTube始めました!

RB67ってどんなカメラ?

フィルムのサイズが6×7

私が今回手に入れたRB67はフィルムの撮像面サイズを6×7サイズとする中判カメラです。

いわゆるフルサイズがだいたい24x35mm。

対して6×7は60x70mm。

面積比でおおよそ4倍

このサイズのお陰で

35mmフルサイズよりも精細な描写の写真を撮ることが出来ます。

(本来ネガから大型サイズにプリントする時にとても有利という話のようですが、

実際この目で見た限りではモニター上でもある程度当てはまると思います。)

通称ブローニーフィルムや120フィルムとも呼ばれます。爽やかなブルーが出ると言われるFUJIFILM PRO400Hもブローニーフィルム版があります。

広大な視界のウェストレベルファインダー!

これは写真を見た方が早いですね。

始発で、ほとんど誰も居ない大阪の新世界を撮りにいった際の写真です。

「目の前の光景がこの箱の中に収まった」

そんな感覚を持ちました。

このファインダーはデジタルカメラの背面モニターよりも大きいです。

そして取り込んだ光を電気信号に変えて画面に映しだすデジタルカメラとは違い、
RB67はほとんどそのままの光をファインダーで見ることになります。

だからか、本当にうっとりするくらい綺麗です。

カメラ屋さんでファインダーを覗かせてもらったのが決め手でRB67を手に入れたくらいには。

ちなみに、大阪・新世界をご存知の方が上の写真をよく見ると分かりますが、逆像で映ります。

つまりは左に向けると右に像が動き、右に向けると左に像が動く。

ややこしくて頭がおかしくなりそうです。

でもこれは慣れの問題らしいので頑張って慣れます…。

縦構図自由自在のRB!

RBとはなんぞや?って思いませんか?
なるよね?
なろう、な?(威圧)

さて、RBは「リボルビング・バッグ」の略で、

なんとカメラのお尻に引っ付いているフィルムホルダーが回転します。

だからカメラを縦にしなくても縦構図が撮れるんです。

これは元々RB67が写真館などの屋内で使われる事を想定しているから。

こんな重くてデカイカメラを三脚に乗せた後にいちいち縦横変えることが手間だったんですね。

考えた人天才かな?

…6×7判を回転させる機構を付けたためにボディが凄くデカくなったんですけどね。

ものすごいデカくて重い!

そうなんです。
フィルムが6×7判と大きい上にそのフィルムが回転する。
つまりはその分カメラも大きくせざるを得ないということ。

百聞は一見にしかずなのでこちらをご覧下さい。

並べたカメラは左から順に

RB67ProS

Canon EOS Elan7(EOS7の北米モデル)

Olympus OM-1

です。

EOS7はSIGMA24-105mm F4のArtラインを装着しているのである程度大きく見えますが、

特筆すべきはOM-1との比較。

OM-1「わーい、パパの背中大きいね!」

RB67「ははは、お前もこれくらいでっかくなるんだぞ」

…いやもう子供とお父さん位違うやん!ってくらい大きさが違います。
当然重さも。

OM-1とレンズ(50mm F1.8)がだいたい680g
対して、RB67Prosとレンズ(90mm F3.8)が実測2.55kg
4倍以上の差ですね!

フィルムも4倍の差がありますね!

ちゃんと正比例!※ただしEOS7は考えないものとする

ではなぜRB67を手に入れたのか、その他の特徴とは?

私、変わった感覚の持ち主らしく、RB67のように

デカイ!デカイ!デカァァァァァイ!説明不要!(某グラップラー風)
といった感じで突き抜けているものが大好きなのです。

色々とデカイRB67はそんな私の心の琴線にがっつり触れてくれました。

勿論それだけではありません。

  • 電池を一切使わない完全機械式のため、比較的壊れにくい頑丈さ
  • フィルムバックが交換可能=状況によってフィルムを速やかに交換できる機能性
  • ラックピニオン方式でレンズが前に繰り出し、接写もできる汎用性
  • レンズシャッターであるため、ストロボが全速同調
  • 中判カメラの中では本隊がかなりリーズナブルでお財布にも(比較的)優しい経済性

そんなプロを想定した様々な特徴にも惹かれ、RB67 ProSを購入しました。

ちなみにRB67は無印の

  • RB67(初期型)
  • RB67 ProS(中期型)
  • RB67 ProSD(後期型)

の三種類のラインナップがあります。

無印とProSの違いは多重露光防止機能の有無です。
SDはレンズ内径が大きくなったようです。

この中でRB67 ProSが一番長い期間販売されていたようです。

また、RB67自体の後継機として、RZ67シリーズもあります。

これはRB67を電子化したモデルのため、当然電池が必要となります。
デザインも無骨なRB67と違って結構モダンな感じになります。
写真家の市橋織江さんが使用していることで有名なカメラですね。

実際の撮り方と感想

SONY α7II, SONY Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA, 1/15, F4, ISO800

このカメラの撮り方はざっくり言うと以下の通りで、慣れれば特に問題ありません。

  1. フィルムを手順通りに装填する ※今後時間あれば別記事で書く予定
  2. 被写体を探す
  3. 露光計またはスマホのアプリ、デジカメや経験から絞り値やシャッター速度を算出
  4. レンズ側に絞り環、シャッター速度環があるのでセット
  5. 本体側面にあるシャッターチャージレバーを押してセット※ファインダーに像が映る
  6. レンズを被写体に向け、蛇腹を繰り出しピントを合わせる
  7. フィルムホルダーに刺さっているプレートを抜く※薄くて手が切れやすいので注意
  8. 本体前面下にあるシャッターボタンを押して撮影

もし不安ならカメラ屋さんで中古を購入する時にフィルムも一緒に買い、

「初めてなので使い方とフィルム装填の仕方を教えてくれませんか?」

と店員さんに言えば懇切丁寧に教えてくれます。

特に最近若い中判フィルムカメラユーザーが増えているみたいで、

店側からすれば新規ユーザーは大歓迎なのです。

そして初めて撮った感想。

思った通り、ウェストレベルファインダー最高でした。本当に視界が広いです。

写真では分かりませんが、ルーペも付いているので精密なピント合わせもできます

この記事でもあげていますが、他のカメラでファインダー自体に映ったものを撮っても十分に絵になる位。

さて、一つ気をつけないといけないなと思ったことがあります。

フィルムの巻き忘れです。

先ほどRB67 ProSには多重露光防止機能が付いていると書きました。

ですが、いわゆる

「撮った後にフィルムを巻かないと次を撮ることが出来ない」

ではなく

「今撮ったことをアピールするから、フィルム巻き忘れないでね。」

「あ、でもそれで巻き忘れたら知らんよ?」

といった類の機能でした。

ですので撮ったら即フィルム巻き上げの癖をつけるようにしています。

上記は欠点のように思えますが、実はこれ多重露光が好きな方には凄く良い機構です。

何故なら何も特別なことをすることなく、その場で多重露光ができるから。

今後色々と慣れたらこのカメラで多重露光に挑戦してみようと思っています。

あと正直なところ、このカメラとSony α7IIにSonnar FE55mm F1.8程度のレンズを付けての

2台持ち体制であればそれほど重いとは思いませんでした。

さらに軽量三脚も持った状態です。

その状態で大阪新世界〜道頓堀〜なんばHatchまで2時間くらい歩きましたが

いい運動になったな、くらいの感想です。(翌日筋肉痛にはなりましたけど)

といってもちゃんとストラップを付けて首からぶら下げての手持ちでした。

恐らくストラップ無しの手持ちは片手に負担が集中し、中々ハードだと思います。

結論としては世間で言われるほどは重いとは感じない。

でもサブカメラは選ぶ、でしたね。

本当のきっかけ

さて、今まではRB67という中判フィルムカメラ自体を手に入れた理由を中心にお話してきました。

ですが、何故中判フィルムカメラというジャンルに目を向けたのか。

実は、中判写真は私が勝手に言っている「クリスタルクリアーな写真」を目指すために

必要不可欠なものだと確信したからなんですよね。

私の中で「クリスタルクリアーな写真」の条件がいくつかあり、

中判写真の特徴がそこに当てはまるのです。

  • 標準画角なのに美しくなだらかなボケがあり、非常に立体感がある写真。
  • 対して、ピンが合っている所は驚くべき解像感に溢れている。
  • そしてそれはただ単にキレキレなだけではなく、妙な生々しさを備えている。

そんな写真。

flickrで一度「6×6」や「6×7」、「midium format」などで検索してみて下さい。

こういった特徴を持つ、沢山の美しい中判写真が出てきます。

これらの写真の雰囲気はどうやったら35mmデジタルフォーマットで再現できるのか。

これらの写真を撮ることができれば将来自分の写真に活かすことが出来るかもしれない。

そんな目論見もあって中判フィルム(沼)に飛び込みました。

まだ手に入れたばかりなので目論みが当たっていたのかはまだ分かりません。

今後色々なフィルムを試しがてら、しっかりとRB67 ProSの撮り方をマスターし、

自分の撮りたい写真を追求していく予定です。

※追記 RB67 ProSは我が家のオフストロボ(無線ストロボ)のモデルとしても活躍してくれています。FUJIFILMの最上級ミラーレスカメラ、X-T3で撮影しています。フィルムがお好きな方はFUJIFILMのミラーレスシリーズも気になっているorユーザーの方が多いと私が勝手に思っているので、一応リンク貼っておきます(笑)。

まとめ

SONY α7II, SONY Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA, 1/125, F2.8, ISO800

今回は

  • 中判フィルムカメラのMamiya RB67 Professional Sを手に入れた話
  • 実際に使ってみた感想
  • 私の目指す写真の一要素をそれが担う可能性

のお話をいたしました。

いかがだったでしょうか?

中判フィルムカメラ、少し欲しくなってきました?

明日カメラ屋さんのショーウィンドウ、覗きに行こうかな、

と思っていただければこの記事を書いた目的のほとんどは達成です(沼)

次回はRB67で実際に撮って現像した写真を紹介できればと考えています。

それではまた。

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